ピアノ

ベーゼンドルファーインペリアル  1978

入手することなどないと思っていた名器。1828年オーストリアで創業され現在まで50000台ほどの生産台数。 そのうちこのインペリアルは特別な存在であるのは確実。生産台数は数百台?か。千は超えてない? ヤマハは600万台、スタインウェイは60万台製造。希少価値のベーゼンインペリアル。 鍵盤数は97鍵盤、低音弦を共鳴弦として使用し深い深い厚い低音を発生する。その低音弦を使用するのはバッハのオルガン曲を編曲したブゾーニの作品のみとか。

大好きなアンドラーシュ・シフやマルコム不レジャー、ローランドバティック、古くはバックハウスやグルダも愛用し、若手ではリッシツァもラフマニノフのPCでブリブリバリバリ弾きこなしている。

2016年1月 私が中学1年のころ、親父はn長さ250cmのヤマハCSには手が届かず227cmのC7を購入していたのだけど、どういう訳かそのCSを聞いてみたくなり、出物があればと探し始めた。暫くして 北海道は苫小牧に状態がいいものがあると聞き、ピアニストと二人分のチケットを用意したところ同日浜松よりメールが来て、チケットはキャンセルし、近い浜松にて試弾。しかしながら期待していた音ではなく落胆。これではうちのC7とほとんど変わらない、低音弦は長いからより豊かながらインパクトなし。同ショップにあったニューヨークスタインウェイB211も低音弦が短く古いC7ほど豊かではないと感じピアノ探しの迷宮にはまり込んでしまった。

そんなわけで、あの清水和音さんが言う「ピアノは新品 スタインウェイ D274に限る」という声を伺っていたので、それからはD274探しに奔走。 まずは神奈川県内で’80 ’68 名古屋で ’68 ’74 ’92 2台 ’05を指弾、都内ではすべてのサイズのスタインウェイ新品に触れる機会に巡り合い ジャズピアニスト ヨッシーに弾きまくってもらったが、これだー!!というものには巡り合えず。 ハンブルグ B211もあちこちでも弾いたけど感じるものが少なかった。

どうしたものかと考えあぐねていたところ、千葉にてベーゼンドルファー275を発見。女性ジャズピアニストに同伴願い、ヤマハCFVSの新品状態のものとも引き比べたが「インパクトあり!」 マーチンで言うとD45の雰囲気。低音、高音ともきらきらした倍音が放散され全身に響いてくる。 ただこの275ブリブリ過ぎてもう少し温かみが欲しい。で、ハンマーはどうよと調律師さんに聞いたところ、交換した方がよいとのこと。しかし予算は結構かかるのと、象牙も張り替えられていてアクリル、、輸入時にワシントン条約に抵触するためはがされるのだとか。「ハンマー変えたらどんな音になるのですか」との問いに「インペリアルもありますからそちらを次回用意します、参考にしてください」とのことで、今度は左の伸長193cmあるヨッシーと再訪し試弾すると他のピアノとは比較にならない厚みのある重厚で煌びやかな音色に圧倒され、単音で弾いてもここちよい音色の素晴らしいピアノに出会ってしまった。 埼玉の275もよかったけど比較するのがかわいそうなほど 出来が違う。 幅が168cmもあり迎え入れるのは大変だったけど、今一番いい音がするピアノが欲しかったので、和音先生のお言葉に反し、ベーゼン買ってしもた。

このインペリアルは2015年にオーストリアの個人宅より輸入されたらしい。 運よく象牙鍵盤は輸入時に見過ごされそのまま日本に。 左の黒鍵は共鳴弦用キーの +9鍵盤








ベーゼンドルファーのフレームはご覧のような赤銅色、スタインウェイやヤマハとは異なる。ピアノ本体の材質も他メーカーとは異なり松主体の柔らかい材質を使用、さらにそのリムは他社製よりかなり薄い。 また、自宅にて最初に弾いたとき高音、中、低音の音が混ざらない気がした。 これは弦 一本張りの特徴で、ヤマハやスタインウェイのように折り曲げて貼っていないため そのようなクリアな発生をするんだとか、「よくわかりましたねと」褒められた。 響板の状態もよく38歳とは思えない素晴らしい状態。

2016年7月 和音さんが見え、試奏しお墨付き、「1980年前後が一番いいんだよ、ベーゼンは」とお言葉頂き、フレームにサインしてもらった。 音質は問題ない様子で安堵! 和音さん曰く「ベーゼンは癖があるのと 弾き手の音色の違いが出にくいんだよ」と言われてた。 でも色んな人が弾きに来たけどそれぞれ音色が違って聞こえたなあ、、。


のち 友人たちがサインを見て、「俺たちもサインするから」というのだけれど、「あんたたちがサインしたらただの落書き」だろと 強烈に拒否した。


サイン中の清水和音さん


フレームにサイン


サイン後の記念撮影

搬入はこんな感じで8時間。8人参加。580kgは並大抵ではない。


Yamaha U3 1956

父が初めて購入したピアノ、昭和31年5月4日 私の誕生時(日)に浜松まで出向き購入したとか、母は出産時に放っておかれたとずーっとぼやいてたなあ。
でもこのピアノでわたしゃ 無理やり練習を強いられ、バイエル赤黄色のくそ詰まらない曲を弾かされチョー嫌で小学校6年生でチェルニー100番に入ったあたりで放棄!
就学前から生徒さんのくそ下手なバイエルをほぼ毎週日曜日に朝から晩まで聞かされ、すでに雑音にしか聞こえなかったこの音楽はほんとに嫌だった。
で、中学1年になり今仲良くしていただいている小原聖子先生のギター教則本に出会い、ギターに転向。
ご本人にも30年後にお目にかかりました。
さてこのピアノで教師だった親父は、副業で当時ブームの乗り、多くの生徒を抱え、ピアノ教室を開催し私を大学まで出していただきました。感謝のピアノであります。音色は疲れて痩せてしまってます。
弦はレンナーに変えたんだけどあんまり変化なかったな。
兄弟のようなこのピアノは自宅のリビングで放っておかれたまま調律してやらないとなあ、、、。


Yamaha U7 1971

実家の母の部屋で父の遺影といっしょに眠っているU7、きれいな表面でおしゃれなピアノ。
アップライトだから音はこんなもんかな。
母は弾きもしないのに親父の形見と毎日過ごしてご満悦。


Yamaha C7 1969

こちらもオヤジの遺品である。
象牙鍵盤を持つ当時3番目の大きさだったC7 1969 227cm 象牙鍵盤。
本当はもう一つ上のCSを欲していたが 金銭的な理由とサイズで断念、250cmの巨体は一般家庭にはでか過ぎた模様。
しかしC7[なかなかの音色だと今でも思う、1969年の夏、静岡のYamahaに出向き数台あるC7からこの一台を父が姉と弾いて選んだ一台、スタインウェイにはかなわないけど今でもたっぷりとした低音や厚めの中音域は2019年、50年を迎え今も別宅に住んでるミュージシャンたちに貸し出しているけど十分満足しているし文句ない。
のちに、父が欲したCSを探し弾かせていただいたが、7より低域は太いものの全体の雰囲気はやはり変わらず入手に至らず、インペリアルまで昇華してしまった。
僕は展示されていたFG500 350 を見てよだれを垂らしていた覚えあり。





Yamaha G1 1969

1969年製造の本器は別宅にあるC7と同い年。
沖縄の島楽器で遭遇したウォールナット張りの可愛いベイビーグランド。
小さいけどやっぱりグランド、豊かな響きはアップライトにはない分厚い音色を奏でてくれます。
このピアノ、発見した時、頼りにしている後藤調律師に相談したところ、1969年では製造していないのではないか?
ひょっとしてまがい物 yamaha?かと心配になりましたが現地で伺ったところ、なにやら米軍基地の沖縄在住の軍人宅に置いてあったとか。 で、この子は輸出専用モデルであることが分かりました。 毎月 後藤さんたちは数百台のピアノを下取り販売もしているようですが初めてのことと驚いている、まさに当時外国であった沖縄でしか見られない逸品に遭遇しました。








弾かせていただいた素晴らしい名器たち

ヤマハCFVS 2012
ベーゼンドルファー275 1985
スタインウェイ C227

スタインウェイの中でこの68年製が一番よく鳴っていて。これにしようかと迷った時も。C227の評価はあまり良くないけど、実際弾いてみると素晴らしい、個体差はあるからね。こちらでは同じ製造年でシリアル番号1番違いのも在庫されておりそちらは優しい感じ。
以前の所有者は2台同時に所有されていたとか。でも調律で音が変わるから、そちらもいかようにでもできるかも。
C227はハンブルグのみで製造されアクションはD274と同じらしく、やはりB211とは一線を画す。

スタインウェイ D274(2台)とC227

こんなおしゃれなスタインウェイもありました。

他を圧倒する存在感のD274